半月板損傷
- 膝に強い痛みを感じ、痛みが続いている
- 膝が引っかかったような痛みを感じる
- 膝に力が入らない感じがする
- 膝の曲げ伸ばしができない
- 膝関節部が腫れて膨らんでいる
半月板損傷の症状
半月板とは膝関節の大腿骨と脛骨の間にあるC型をした軟骨様の板で、内側と外側にそれぞれあり衝撃を受け止めたり膝を安定させたりする役割を果たしています。これが損傷すると、膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりを感じるようになります。ひどい場合は膝に関節液と呼ばれる水がたまったり、急に膝が動かなくなる「ロッキング現象」という状態になり、歩くことが困難になるほどの痛みが生じるようになります。
また、膝に体重がかかる時や、膝の曲げ伸ばしをした時に痛みが見られるほか、膝関節の動きに違和感がある、うまく動かない、一定以上に曲げ伸ばしができないといった関節運動の制限、可動域の狭まりが見られるようになります。これらの症状が見られるようになるのが半月板損傷です。
太もも前面の筋肉「大腿四頭筋」の筋力低下や萎縮などの症状が見られることもあります。傷ついて裂けた半月板が何かの拍子に関節に挟まると、膝の曲げ伸ばしができなくなる「ロッキング現象」が起こります。加えて激痛で歩行困難になる場合もあります。
半月板損傷の原因
膝は体の中でも特に体重による負荷が大きくかかる箇所で、歩行時に3~8倍、時には片足に体重の10倍以上の負荷がかかることもあり、半月板にも大きな力が加わります。
半月板の損傷は徐々に進行する場合と、急激に進行する場合とがありますが、多くの場合は膝に圧力がかかり続けて、徐々に損傷が進行していく前者のケースが目立ちます。激しいスポーツの最中に立ち上がったときなどに、突然膝に痛みが走って自覚することもありますが、そういうケースは稀で、多くの人は半月板が損傷しているとは気づかず、一般的な膝痛だと勘違いしていることも少なくありません。
半月板は、膝関節の繋ぎ目の外側と内側にある組織ですが、特に損傷しやすいのは内側の半月板です。関節に無理な力が加わった時に損傷します。損傷すると、膝を動かす時にゴキッという音がするようになったり、強い痛みを感じたりします。また、膝に水が溜まることもあり、その症状は変形性膝関節症とよく似ています。
急激な動きや無理な体勢によって膝を酷使したり、膝を強く打ち付けた時などに、吸収しきれないほどの負荷がかかることで半月板が欠けたり断裂したりすることがあります
特徴的な症状は、膝を動かせる範囲が狭くなるロッキング、歩いている最中に突然膝の力がガクッと抜ける膝崩れ、膝を深く曲げた時にきしむスナッピングです。この3つの特徴が見られたら、半月板損傷を疑ってみるといいでしょう。
運動中の膝の怪我によって多く発生する為、急性のスポーツ外傷に分類されています。サッカーやラグビーで走りながら急激に方向転換をしたり、野球で捕手が膝を深く曲げた姿勢から送球をする時など、多くは膝が無理に捻られたり伸ばされた時に起こります。
若い人に比較的多い傷害で、外傷によるものが殆どですが、40歳以上になると加齢に伴う半月板の老化や負荷の負荷によって切れるケースもあります。この場合、時間をかけてゆっくりと切れていく為、痛みもゆっくり現れます。
膝の関節を外側に曲げた時は内側の半月板が、膝の関節を内側に曲げた時は外側の半月板が損傷します。
半月板損傷の治療
多くは保存的療法で症状が軽快します。膝を極力使わないよう安静にしつつ、半月板の破損の状態に応じて損傷した部分を修復するための治療法が採られます。
破損が軽度で症状が軽ければ、手術を行わず患部を温めたり、サポーターで固定するなどの保存療法で対処します。局所の安静、関節穿刺による関節液の吸引、局所麻酔剤や消炎効果のあるステロイド剤の注入、最近ではヒアルロン酸注射を行います。また、筋萎縮予防や疼痛の軽減を目的として、大腿四頭筋、膝関節周囲の物理療法も実施します。
膝が伸ばせないロッキング、持続する疼痛、繰り返しの半月板損傷、膝に水が溜まる症状(水腫)などが見られる場合は、破損した半月板を縫合、または内視鏡を用いて切除する手術が行われます。半月板は血管分布が乏しく、縫ってもくっつかないままの状態がほとんどです。手術のみで治るというわけではなく、今の問題を軽減して、後療法(リハビリテーションなど)で対応する方法を見つけていきます。